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心理カウンセリングは、相談に来られた方のお話を丁寧にお聴きしながら、お悩みの状況を把握し、問題の解決へ向けてどうしていくと良いのかをカウンセラーと一緒に考えていきます。
カウンセラーと心の中にある気持ちや不安を、ゆっくりと時間をかけて言葉にしていくことで、無意識に行っているご自身の生活や仕事の施行や行動パターンに気づき、自己理解を深める機会にもなります。
最近は、インターネットやSNSを使ったコミュニケーションが増えたことで、本音で心の中を打ち明けられない状況や人間関係が多くなり、心理カウンセリングを希望される方が増えています。
当院の心理カウンセリングは、すべて臨床心理士・公認心理師の資格を有する経験豊富なカウンセラーが担当いたしますので、安心して悩みを相談ください。
じっくりお話をうかがいます。
安心して自分の気持ちや考えを語り、それが受け入れられることで、自分の中の理解していなかった気持ちや考えに気づきやすくなり、本来の力を取り戻しいく方法です。
認知に働きかけて気持ちを楽にする方法です。
ネガティブな気分を感じる状況を整理して捉え直し、自分の認知の癖に気づき、認知や行動を変化してきくことで、気分の改善を図る方法です。
また、認知行動療法は、うつや不安などに効果があることが、諸研究によって確かめられている心理療法で、特に心理的な問題の再発予防効果が高いことが知られています。
うつ病などで休職されている方を対象に、復職支援に重点をおいたカウンセリングを行います。
これまでの経過をうかがい、どのようなステップを踏んで復職していくことが望ましいかを検討します。
また、病気をくり返す要因となる、生活パターンや思考パターンを見直します。
心と身体のつながりに基づいてアプローチする方法です。
呼吸法、漸進的筋弛緩法、自律訓練法など、カウンセラーと一緒に身体を動かし、練習を繰り返すことで、身体に働きかけ不安や緊張を緩和します。
特に自律訓練法は70年以上の歴史があるリラクセーション法で、医療現場だけではなく、勉強やスポーツの疲労回復など幅広い年代、分野で取り入れられている技法です。
練習を重ねて自分自身で心身の弛緩を行うことで、催眠に近い状態を作り出しリラクセーションに繋げるものです。
他者ではなく、自己催眠という形と取ることで「自分で心身のコントロールをする」ことを狙いのひとつとしています。
最近では配信動画サービス等でもチャンネルがいくつも存在するようになりました。しかし、正しい方法で行わなかった場合にはかえって自律神経が乱れてしまう、やりすぎてしまうなどの懸念があるため、専門家と一緒に取り組むことで安全に習得ができます。
ある程度コツをつかみながら、自宅等では動画を用いて練習をするのが良いでしょう。
カウンセリングを受けてみたいと思っても、「カウンセリングはどんな風に進めるんだろう?」「カウンセリングって、どんなことを話すのかな?」と不安に感じ、躊躇される方も多いと思います。
カウンセリングは、患者様のお話をじっくり聴かせていただきながら、困っている事の解決の仕方やどうしていきたいかを一緒に考えながら進めていくので、“オーダーメイド”と言えます。そのため、お一人お一人それぞれにカウンセリングの内容は異なりますので、こう進めますと一言で説明しにくいところがありますが、カウンセリングとはどのようなものかイメージして頂けるように、具体的な例をご紹介致します。
営業の仕事に就き4年目、職場異動をきっかけに強い不安や緊張を感じ、夜眠れなくなり疲れがとれず、仕事に行くのが辛くなり、受診し休職された患者様のケースをご紹介します。カウンセリングは1回50分で2週間に1回の頻度で、18回ほどで終結しました。
(※ご注意:この記載は、実際のケースを参考にしていますが、個人が特定されないよう、内容に変更を加えています。)
初回のカウンセリングでは、現在の状況を聴かせていただきながら、カウンセリングでお話ししたいこと、何が辛く、どうしたいのかなど、カウンセリングのゴールについてお話しをしました。初回時のゴールについては、仕事に復帰することでしたが、お話しの中で、眠れないため朝起きられないこと、やる気が出ないことが主な辛さとなっており、医師の診察でも抗うつ剤と睡眠薬が処方されました。まずは休養優先を勧め、睡眠の改善を図るため、リラクセーション法である呼吸法と筋弛緩法をご紹介し、カウンセリングの中でも一緒に練習し、ご自宅でも練習をしていただきました。
2回目のカウンセリングで、ご自宅でのリラクセーション法の練習と変化があったかを確認しました。呼吸法を練習され、受診前の仕事中は気がつくと緊張して呼吸が浅くなっていたことにご自身で気づき、少し寝つきがよくなった気がすると話されていました。日中は仕事のことをつい考えてしまい、気分が落ち込むことが確認されたので、ネガティブな考えごとをして疲れてしまわないよう、日中も何回か呼吸法の練習をお勧めしました。
3回目以降からは、少しずつ睡眠の改善が見られましたが、日中の疲労感はまだありやる気も出ず、つい過去にあった嫌なことを思い出してしまうことが話されました。その中で、子どもの頃から人の目を気にしてしまい、つい自分のせいと考えてしまったりする、考え方のクセやマイナス思考になりがちなことが分かりました。認知行動療法についてご紹介し、認知行動療法のワークを使って考え方のクセを見直し、物事を違う見方で捉える練習をしていただきながら、カウンセリングを進めていきました。
休職期間が2カ月を過ぎた頃、日中横になって休養することがなくなり、友人と交流するくらいやる気が出始め、会社からも復職についての確認がありました。仕事のことを思い出して辛くなって体調に出てしまうことはあっても、その影響は小さくなっていることが確認され、当初のゴールだった仕事への復帰を具体的に話し合いました。実際の仕事をイメージして、生活リズムを整えたり、体力を回復するため1日の活動量を上げていくことなどを話しました。会社とは、産業医や人事担当者、上司の方たちとの面談を行い、復職後は時短勤務などのリハビリ勤務を経て、通常の勤務に戻られました。
復職されてから体調に波はあり、遅刻や早退をしてしまうなどの影響はありましたが、カウンセリングでは呼吸法や認知行動療法のワークをやりながら、体調や気分の安定させることを話していきました。復職して2カ月が経つ頃、徐々に体調も気分も安定され、診察の頻度と合わせてカウンセリングも4週間に1回の頻度にすることを話し合い、変更しました。
12回目のカウンセリングでは、当初のゴールであった仕事への復帰は達成していましたが、人からどう見られるかにとても敏感で、対人関係の持ち方についてカウンセリングで話していきたいという、新たなゴールが出てきました。カウンセリングで話していくうち、子どもの頃にご両親の関係が悪かった時期があり、親の顔色をうかがうようになったことが影響していると気づきがありました。カウンセリングでは、アサーショントレーニングをご紹介し、ストレスをため過ぎないようなコミュニケーションの取り方について話し合いました。
17回目のカウンセリングでは、人間関係のストレスが減り楽になってきたと話され、カウンセリングの終結について話し合いました。18回目で、カウンセリングでは自分の考え方のクセや対人関係でストレスを感じやすいことに気づくことができ、カウンセリングが終わっても自分だけで大丈夫かもしれないと話され、終結になりました。
~まとめ~
ご紹介したこの20代女性は、約1年カウンセリングに通われました。カウンセリングがすべてこのケースと同じように進むわけではありませんが、実際のカウンセリングのイメージして頂けたらと思います。
カウンセリングを受けてみたいけれど、気になることがあってなかなか一歩が踏み出せない…そんな方も多いのではないでしょうか?
そのような方の不安や疑問についてまとめてみました。
カウンセリングを受けてみたいと思ったら、まずは主治医にその旨をお伝えください。
その希望を受けて、主治医が治療にカウンセリングが適切と判断すれば、カウンセリングの予約手続きに進みます。主治医は患者さんの希望に配慮しつつ、適切と思われるカウンセラーの紹介と、患者さんの来院し易いスケジュールを伺って予約をお取りします。カウンセリングの予約状況と、患者さんのお時間の都合が合えば即日での開始も可能です。
第1回目のカウンセリングでは、まずこれからカウンセリングを進めるにあたってのカウンセラーと患者さん間での「共通理解と、方向性の決定」を行います。具体的には、これまでの成育歴や病歴、今困っていることについて、カウンセリングでテーマにしたいこと、期待すること等を伺い、それらを基にカウンセリングのゴールを決めます。患者さんを船に例えると、これまでどこをどんなふうに航海してきたのかなどを伺い、現状の海はどんな状態で、船はどういった状態なのかを確認し、これからどこかの港に停泊したいのか、もう少し航海を続けたいのか、航海するうえでまた荒波が来た時にどう対処しようと考えているか…といったことを話し合い、一緒に舵を切っていくイメージが近いかもしれません。
時間内に話し終わらなかった場合には次回に持ち越しながら、患者さんとカウンセラーで共通理解を図っていきます。
これらのことも、第1回目の時に患者さんと相談して決めるようにしています。時間は最大で50分までで、通常はそれ以上に長時間予約を取るということはしていません。
カウンセリングをする頻度は、開始当初は毎週もしくは隔週、症状が落ち着いてきたら徐々に3週に1度、4週に1度と間隔を開けていくことが多いです。
カウンセリングを行う期間は、患者さんにより様々です。数か月で終了される方もいらっしゃれば、半年から1年くらいの期間で行うこともあります。体調や症状の揺れの関係で、決まった間隔ではないものの、ゆっくりカウンセリングを続け全体でみると数年続けていらっしゃる方もいます。終了時期は患者さんご本人の意志と、症状や相談内容の改善度を総合的にみて判断致しますが、患者さんが終了を希望しているにも関わらず、カウンセラーがむやみに終了時期を引き延ばしたりすることはありません。
第三者と相談しつつ自分を見つめ人生を転換したいと思っている方や、自分だけは行き詰まっており、カウンセラーのアドバイスをヒントに現状を乗り越えたいと感じている方、または、家族や友人などに相談したいと思っても話しづらい、相談を聞いてもらえず一人で悩んでいる方など、カウンセリングの場で相談されることをお勧めします。
カウンセリングは「気づき」を重視して進めます。患者さんのお話を十分に伺った上で、根本原因や課題となっている考えを一緒に探し出し、自らが偏った思考や行動に気づくことによって「なぜそのような思考をするのか」、「自分にとってもっとストレスにならない考え方はないか」をカウンセラーと検討します。そこで得られたアイデアを、実際に日常生活で取り入れてみて、自分や周囲にどのような変化があったか、気づいたことをさらにカウンセリングで掘り下げることを繰り返し、問題解決を図っていきます。
また慢性的なストレスを感じている方にもカウンセリングをお勧めしています。気分や行動に影響を与えている考えや思考を振り返りながら、偏り過ぎているところを修正していきます。偏った考えや思考に振り回されないようにすることで、日常生活を今よりも快適に過ごすことが期待できます。さらに症状の軽減や再発防止に役立てることができます。
しかし、カウンセリング重ねていく中で過去の不快なことを思い出したり、掘り下げて考えることによって疲労したり動揺したりすることがあります。また、症状によっては「深く掘り下げて考える」ことが難しい状態の時や、一時的に症状悪化を招いてしまうことがあります。そのようなことが、治療にとって良くないと主治医やカウンセラーが判断した場合には、カウンセリングは一旦中断し心身の休養を優先します。
カウンセリングでは、患者さんと一緒に治療の目標は立てますが、カウンセラーの価値観や理想を押し付けたり、ご本人の考えを否定するようなことはありません。治療の必要性によっては、毎日の活動内容や気分の変化を日記のようにメモして頂くことや、「次回までに〇〇に挑戦してみましょう。」といった「課題」を設定することはありますが、それができなかったからといって、カウンセラーが叱責することはありません。「何故できなかったのか?」そこにも患者さんを理解するためのヒントがあるとカウンセラーは考えるからです。
患者さんのありのままを受け止め、患者さんの経験や感情を分かち合い、話し合うことに意味があります。その継続の中で、「そういう風に思っていたのか」「そこが不安につながっていたのか」とカウンセラーが共感すると伴に、患者さん自身も自分を俯瞰し、捉えなおす機会となり、自己理解につながります。
担当するカウンセラーは患者さんのスケジュールや、適正や相性を考慮しながら主治医が決定します。原則として1人のカウンセラーが継続的にカウンセリングを行います。カウンセラーが固定されるのにはいくつかの理由がありますが、特にカウンセリングでは信頼関係を作り、二人三脚で問題解決を図っていく、このことに重きを置いているためです。
また、来院のたびに異なるカウンセラーだと、たとえ情報が共有されていたとしても、その都度同じ話をすることになったり、本人も気づかないような小さな変化をカウンセラーが見逃す可能性があり、カウンセリングの進展が遅れてしまうことにつながります。
けれども、患者さんのご都合によっては、来院の曜日に変更がある場合や、担当のカウンセラーとの相性がどうも合わないな…と感じることが出てくるかもしれません。その場合には遠慮なく主治医に相談してください。その上で主治医がカウンセラーの変更を判断した場合には、患者さんに負担がかからないようしっかりと引継ぎを行います。
また、カウンセラーの長期休職や退職の際には、事前にその旨を患者さんにお伝えします。その上でカウンセリングを一旦終了する、別のカウンセラーに引き継ぐなど、今後についてご相談させて致きます。突然「次回から担当が変更になります」ということはありませんのでご安心ください。
心理カウンセリング費用
1回 50分 5,500円 ~ 8,800円
(詳細は受付にお問合せ下さい)
心と身体の不調、症状の改善 / 自律神経検査、在宅睡眠検査