副腎疲労症候群、過敏性腸症候群、カンジダ腸炎の「症例」について
今回は具体的に、副腎疲労やカンジダ腸炎、リーキーガット症候群を合併したケースをご報告したいと思います。
生活の変化、ストレス過剰、食事の偏り、過敏性腸症群、慢性疲労、睡眠不足など典型的な発症過程を示したケースについて記載しました。
(ご本人の同意を得て、症例が誰か特定されないように一部内容を変更しております。)
●24歳 男性会社員 一人暮らし
高校卒業後に大学入学のため、地方から東京に転居し一人暮らしを始めた。自炊は苦手なためにコンビニ弁当やファーストフードなどに偏った食生活をするようになり、体育会系部活をしており清涼飲料水やお酒を飲む機会が多く、暴飲暴食することも少なくありませんでした。大学3年生の頃から、子供の頃のアトピー性皮膚炎が再燃、ニキビも頻繁に出るようになり、便秘や下痢を繰り返すようになっていました。
就職活動や卒業論文などによるストレスが重なった後に、それらの症状が悪化し、慢性の疲労感や疲れやすさが続くため、病院に受診し検査しましたが、はっきりした異常は指摘されずに、時々受診して対症療法を受けていました。日により症状に波があり、また数ヶ月体調が良い日が続くこともあり放置していました。
しかし、大学を卒業し会社に就職。仕事が多忙で、毎日終電で帰るような生活が1年間ほど続いた後に、急激に症状が悪化し、発熱を伴う皮膚の痒みや発赤が強まり、腹痛や下痢も毎日続くようになり、さらに朝から疲労感や気力低下、憂うつ感、不安感も伴うようになってきました。そのため欠勤することが増えて、内科や皮膚科に通院して検査や治療をしていましたがあまり改善せず、仕事のストレスによる精神的な影響が大きいのではないかと説明され、心療内科へ受診したところ、仕事のストレスによるうつ病、自律神経失調症、過敏性腸症候群、不眠症と診断され、休職しつつ抗うつ薬や睡眠薬での治療を行いました。幸いにも3ヶ月の休職で症状が軽減し復職できましたが、残業もなくストレスの少ない業務をしていたにも関わらず、半年後から求職前と同様の症状が再燃しました。継続していた薬やその他の向精神薬なども効果がないため、ホームページの栄養療法の説明を見て当院に受診しました。
これまでの症状や経過から、副腎疲労症候群や腸内環境不全の合併が疑われ、総合便検査、有機酸検査、IgG遅延型フードアレルギー検査、コルチゾール唾液検査(副腎機能検査)、
栄養学的血液尿検査などを行いました。その結果、副腎や甲状腺ホルモンの分泌低下、カンジダ腸炎、リーキーガット症候群、多種類の食物アレギー、低血糖症などを認め、それに加えタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養不足があることもわかりました。
本人は、検査結果を知り、説明を聞き、症状の原因や成り立ちがはっきりしたことでホッとした様子でした。
その後、ストレスからの回避(静養、リラクゼーション)、食事療法、栄養補助サプリメント、腸内フローラの改善のための治療(腸内良性菌を増やし、悪性菌を減らすサプリメントの使用)、腸炎や体内の炎症を抑制する治療やカンジダ菌抑制の治療、デトックス治療などを行うことを説明しました。これらの治療で、3ヶ月目ころから効果を自覚するようになり、半年後には復職の意欲も回復し、8ヶ月後に大学に入学した頃の体調に改善し復職可能となりました。その後は、休職中に覚えた料理で自炊を継続し、再発せずに元気で生活できています。
まとめ
この症例のように、一人暮らしなど生活の変化から食事が乱れ、腸内環境が悪くなり、栄養のバランス崩れているところで、さらにストレスが重なり副腎疲労の状態となってしまい、
原因のわからない慢性疲労、無気力、不安、判断力の低下、胃腸障害の持続、全身的な症状(微熱、低血糖症、めまい、頭痛、動悸、筋痛、皮膚炎、頻尿、脱毛・・・)などの症状が慢性化して、細胞の新陳代謝が低下し、解毒できない、エネルギーがわかないなどの状態になり、改善するためのエネルギーがなくなり悪循環の繰り返しになっていってしまうケースが増えています。放置すると、何年間も長期に自宅で臥床傾向の生活や慢性のうつ状態、パニック状態などなどが継続することが少なくありません。
似たような状況で悩まれている方は、一度ご相談に来られることをお勧めいたします。
院長 佐久間一穂
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