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咽喉頭異常感症について

《咽喉頭異常感症》とは

《咽喉頭異常感症》は、咽喉頭や頸部に器質的病変を特定できないにも関わらず、疼痛や痺れ感、異物感などの違和感を自覚し苦悩する病気です。「喉の引っかかった感じ」「異物感」「詰まっている感じ」として訴える患者さんが多いです。昔はこの症状のことを《ヒステリー球》と呼んでいましたが、最近はあまりこの呼び方は用いられないようです。

 咽喉頭の異常感は、一般人の約10%以上に認めるありふれた訴えですが、実際に耳鼻咽喉科を受診する方はそのうちの10%未満と言われています。30~50歳代の女性により多いと言われています。

 

咽喉頭の異常感を呈する疾患

咽喉頭の異常感を引き起こす疾患としては、78.9%が局所的疾患(耳鼻科疾患)、14.8%が全身的疾患(内科、婦人科、外科疾患)、6.4%が精神的疾患と言われています。ですからまずは症状に見合う器質的病変を検査することから始まります。それが除外されると精神科、心療内科を受診することになります。

 

咽喉頭異常感症の診断

いわゆる咽喉頭異常感症という病名は、精神科・心療内科領域の中でもうつ病や不安障害、統合失調症、妄想性障害などを除外した上でつけられるのが一般的です。しかし、咽喉頭異常感症の患者さんの2割は抑うつ傾向があり、またうつ病患者の3割が咽喉頭の異常感を自覚していたという報告があり、厳密に区別できない場合もあります。

 

咽喉頭異常感症の治療

抗うつ薬を主体とし、不安感が強い場合は抗不安薬を追加したり、認知行動療法を併用したりします。また、漢方薬(半夏厚朴湯)もしばしば用いられます。

 

引用文献:「心身症の診断と治療」永田勝太郎 著

      MSDマニュアル https://www.msdmanuals.com/ja-jp/

医師:本間洋州

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