役割期待

  普段、私たちは無意識のうちに「〇〇らしさ」や「〇〇してくれるだろう」など、他者に求めています。例えば、道ですれ違う他人には、「知らない人」という役割を期待しているので、もし急に近寄ってきて「元気だった?」と声をかけられるとびっくりしてしまうものです。

相互関係の中で他者に寄せられる暗黙の期待のことを、『役割期待』といいます。この役割には、例えば、上司としての役割、部下としての役割、夫や妻としての役割、親や子どもとしての役割など、地位や職業、性別などのさまざまなものがあります。

  相手が自分の期待したとおりの行動や振る舞い(『役割行動』)をしてくれればその関係は安定しますが、期待したとおりでなかった場合、不満や不安などの不快な感情を相手に抱いてしまいます。

例えば、職場で上司が部下に期待していることが出来なかった場合、「どうしてこんなこともできないのだろう」という不満につながります。また、部下からすると、「まだ自分には難しいのに」「他にも仕事があるのに」など、不安や不満を感じることになります。この場合は、上司が部下に対する役割期待が少し大きかったのかもしれません。こうした役割期待のずれはストレスとなり、関係悪化につながったり、メンタルヘルスに影響が出たりすることもあります。

  もし、対人関係で相手に不満や不安などを感じていたら、相手に求めていること『役割期待』を見直し、期待する水準を下げたり修正することで、ストレスが軽減するかもしれません。

 

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