有害重金属の蓄積が様々な病気や症状の根本原因のことがありますⅡ!
(鉛、ヒ素、カドミウム、アルミニウム編)
前回は、日本人に蓄積していることが多い水銀をテーマにしましたが、今回取り上げた鉛、ヒ素、カドミウム、アルミニウムなどの有害重金属も下記に記載するように、蓄積しやすい環境があり、様々な原因不明な症状や病気の根本原因になっていることがあります。
原因不明の症状や、自己免疫疾患、アレルギー、精神・神経疾患、慢性疲労、がん発症の既往がある方などや、生活環境で有害重金属蓄積の疑いをお持ちの方はご相談下さい。
文章は長いですが、役立つ情報なので最後まで読んで頂ければ幸いです。
出典:http://corps-chou.com/fasting/
●鉛(Pb)の問題、摂取経路、毒性
*鉛は、昔から様々なものの加工に使用されと伴に、その毒性の強さも知られていま
す。特に子供では少量でも毒性影響があると言われ、最大の警戒クラスにあります。
*汚染が広がっている鉛ですが、現在もガラスの添加剤、鉄鋼に使われる赤い防錆剤、
ガソリンタンクやオイルタンクなどに使われています。
*かつて張りめぐらされた鉛の水道管は、徐々に交換が進んではいますが、いまだに各
地で家庭まで水を運ぶ水道管として利用されている所があります。
a)汚染源
鉛水道管、ハンダ、白髪染め(一部の外国製)、印刷インク、タバコ、塗料、ガソリ
ン、交通量の多い道路近辺(ガソリンの燃焼)大気汚染、絵の具、工業地帯の土壌な
ど。
子供たちでは、安価な金属製のアクセサリー類、安価な輸入玩具の鉛に注意が必要。
b)症状・疾病
典型的慢性症状としては鉛蒼白、貧血、鉛仙痛。鉛は胃腸管の平滑筋に作用し、消化
管症状を呈します。その結果、食欲不振、腹部不快感そして頭痛も起こします。
腸管の痙攣性収縮による痛みを鉛仙痛と言いますが、この鉛仙痛はしばしば便秘症状
を伴います。
その他、不安感、めまい、衰弱、骨や筋肉の痛み、頭痛、神経障害、動脈硬化、腎障
害、脳発達障害(胎児、小児)、子供の注意力障害、知能指数(IQ)の低下、攻撃
性、非行に関連。(注:高濃度の鉛に曝露した妊婦は、自然流産のリスクが増加。)
●ヒ素(As)の問題、摂取経路、毒性
*ヒ素は地殻中に分布していて、火山活動などの自然現象によって環境中に放出される
ほか、火力発電などの産業活動によっても放出されます。
ヒ素は単体で存在するほか、炭素や酸素などと結合したヒ素化合物として、環境中に
存在しています。
自然環境中にあるヒ素は、動植物が育つ過程で農畜水産物に取り込まれることから、
様々な食品に微量のヒ素が含まれています。
調査では、海藻類には比較的多く含まれることが確認されています。
*ヒ素には、有機ヒ素と無機ヒ素があり、高分子の有機ヒ素よりも無機ヒ素の方が、毒
性が強いと言われています。無機ヒ素化合物は、皮膚や肺の発がん性が報告されてい
ます。
*海藻類から摂取されるヒ素の多くは、有機ヒ素化合物として含まれているため問題は
ないと言われています。ただし、ヒジキは例外的に微量ながらも無機ヒ素を含んでい
るので、過剰に摂取するのは控えて下さい。
※乾燥ヒジキを水で戻し、戻し水を捨てて流水で水洗いをする「水戻し」で無機ヒ素は
5 割程度減り、乾燥ヒジキを直接ゆでる「ゆで戻し」で8 割程度減ります。
a)汚染源
殺虫剤、除草剤、残留農薬(野菜、果物)、海藻(ひじき)、魚介類、井戸水、排気
ガス
b)毒性・症状・疾病
疲労、手足の灼熱感、胃腸障害、皮膚がん、色素沈着、皮膚角化症
短期間に大量に入った場合は、発熱、下痢、嘔吐、興奮、脱毛など生じる
*初期症状(皮膚・粘膜の刺激症状):鼻炎、結膜炎、上気道炎,気管支炎、胃腸炎
*中間期症状:色素沈着、白斑、角化症、末梢神経炎、レイノー現象(手指・足趾)、
肝臓障害(肝腫大 ・肝硬変)、腎臓障害、貧血
*遅発症状:全身の中小動脈硬化性障害(脳梗塞 心筋梗塞 四肢壊疽など)、
発ガン(皮膚、肺、尿路、肝臓など)
●カドミウム(Cd)の問題、摂取経路、毒性
*合金の素材や顔料、メッキ、半導体など産業界で広く使われ、また、石油や石炭の燃
焼による排出もあり、その広がりは水銀と並び有害金属の双璧といえる存在です。
*カドミウムとその化合物は低濃度でも極めて強い毒性を示し、生物の体内や生態系で
生物濃縮を引き起こします。カドミウムの曝露許容量は低く、微量のカドミウムしか
存在しない場所でも過剰曝露が発生することがあります。
*人間の体内では腎臓に偏って蓄積され、年齢と伴に濃度が高くなって(濃縮されて)
いきます。蓄積過剰で腎障害が生じカルシウム代謝に異常を引き起こします。その結
果、骨が変形したり、骨折したりして全身が痛み衰弱死する場合があると言われてい
ます。
*工業地域では、カドミウムの蓄積による水質汚濁、大気汚染、土壌汚染が挙げられま
す。
*カドミウムを大気中に排出する有害廃棄物処理場や工場付近の住民は、空気中に含ま
れるカドミウムに曝露する可能性があります。
*肥料に用いるリン酸塩の原料の中には、100 mg/kg もの高濃度のカドミウムを含有
するものがあり、土壌中のカドミウム濃縮を促進させかねないこともあります。
*土壌が汚染されると除去が難しく、また、米はカドミウムをよく吸収します。主食で
ある米が汚染され、日本のみならず世界でも深刻な問題になってきています。
*また、タバコによるカドミウムの摂取経路もあり、喫煙者のカドミウム濃度は、非喫
煙者の約2倍というデータもあります。副流煙による受動喫煙にも注意が必要です。
*明るいオレンジ、赤、黄に多く用いられるカドミウム顔料を使う画家・芸術家は、特
にチョークパステルなどの乾燥顔料を使ったり、独自に顔料を混ぜる際に、誤って危
険量を吸い込んでしまうことが少なくない。
*近年では、鉛や水銀とともに内分泌かく乱作用(環境ホルモン)も疑われています。
a)汚染源
車の排気ガス、タイヤの磨耗粉塵、タバコ、汚染土壌の作物、穀類、石油、石炭
ハンダ、メッキ工場、ベアリング工場、など
b)毒性・症状・疾病
脱毛、貧血、食欲不振、疲労、血圧上昇、神経過敏、腎障害、骨粗鬆症、骨軟化症
(慢性蓄積で、腎臓障害や骨軟化症を起こします。)
●アルミニウム(Al)の問題、摂取経路、毒性
*アルミニウムは、天然にも土壌、水、空気中のちりなどに広範に存在します。
土壌などから吸収されたアルミニウムが野菜、穀類、魚介類などに微量に含まれるほ
か、膨脹剤、色止め剤、品質安定剤などの食品添加物に含まれています。
*アルミニウムは、明らかに神経毒性がありますが、その作用機序についてはよくわか
っていません。今のところ明確な研究データは報告されていませんが、アルツハイマ
ー病を招く可能性が指摘されています。
a)汚染源
アルミニウムは、多くの食品や生活用品に用いられています。
ふくらし粉・膨張剤(ベーキングパウダー)、色止め剤(漬物)、
形状安定剤(魚介類の煮崩れ等の防止)、品質安定剤(野菜等の煮物)、
着色料など、多くの加工食品に含有してます。
アルミ鍋、アルミ缶、アルミホイル、歯磨き粉、消化制酸剤、
制汗剤(ミョウバンに含有)、大気汚染、酸性化した土壌など
b)症状・疾病
腎障害、骨粗鬆症、食欲不振、息切れ、筋肉痛、けいれん、胃腸障害、貧血
<有害金属汚染度チェック>
□風邪をひきやすい □注意力がなくなった □情緒不安定だ
□頭痛をおこしやすい □肩がこる □抜け毛が多い
□記憶力が低下した □疲れやすい □顔色が悪い
□貧血症状 □下痢しやすい □頻尿 □むくみやすい
□寝つきが悪い □イライラしやすい □便秘しやすい
□アレルギーがある □冷え性
以上の症状のうち4つ以上あてはまる方は、体内に有害金属が蓄積している可能性があります。
上記リスト以外にも、原因不明の症状や難治な慢性疾患、精神症状などがある方は、有害重金属の蓄積が背景にあるかもしれません。
有害重金属の蓄積は、毛髪ミネラル検査や尿メタル検査、血液メタル検査、オリゴスキャン検査などにて検査が可能です。
また、安全にデトックスできる治療法もありますので、お一人で悩まれずにご相談下さい。
参考文献:
「重金属」体内汚染の真実 ―ほんとうのデトックスのすすめ 大森 隆史著
日本土壌の有害金属汚染―データで示す 浅見 輝男著
ミチワクリニック
院長 佐久間一穂
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